(6)糖尿病って何ですか?

 糖尿病って何ですか? 
 「血液中の糖分がやたらに多くなって、それが体の中のあちこちにこびりついて、長い目で見るといろいろな病気を起こしてくる面倒な病気」です。「尿に糖がでる病気」と書きますが、実は血液中の糖分(血糖)の問題なのです。
 糖分は皆さんが日々活動するためのエネルギーです。「腹が減っては戦はできぬ」と言いますが、その言葉通り糖分がないと動けません。ですから口から食べた糖分をちょうどいい具合に体に配分するように、血糖値は常に調節されています。その調節がくるって血糖値が必要以上に高くなるのが糖尿病です。
 血糖値が高くなると何が困るのでしょうか。表面上は何も困らない。どこかが痛いとか苦しいとかは一切ありません。血糖値がものすごく高くなるとノドが乾くようになりますが、こういう人はめったいません。普通の糖尿病の人は何も症状が無いのです。「じゃあいいじゃないの」と思うかもしれませんがそうは行きません。症状が無いから困るのです。血糖値が異常に高い状態がなが~く続くとも(少なくとも10年以上)、余分な糖分が体のあちこちにこびりついて悪さをし始めます。まずは動脈硬化が進むので脳梗塞や狭心症・心筋梗塞になりやすくなります。目がやられると眼底出血したりひどいと失明します。腎臓がやられると最悪透析になったりします。手足が腐って切り落とす羽目になることもあります。まあとにかくいろいろと不都合なことが起きます。まったく気が付かないうちにそんな体になってしまうのです。大変な事ですよ!
 では、どうすれば糖尿病かどうかわかるのでしょうか。もちろん血糖値を測ればいいのですが、血糖値は刻々と変わるのでちょっとわかりにくい。そこで使うのがHbA1cという検査です。血液中の赤い色をしたタンパク質「ヘモグロビン」に余分な糖分がこびりつくとこの数字が高くなってきます。大ざっぱに言ってHbA1cが6を越えたら要注意、7を越えたら要治療と思ってください。村の総合検診でも測っているので見てみて下さい。
 糖尿病はごくありふれた病気です。自分だけは大丈夫、なんて思わないでください。